10回連続レッスンを受けて下さった生徒さん(30代男性/会社員)の感想です。

(インタビュー形式になっています。)

 

【どのようなきっかけでアレクサンダーテクニークのレッスンを受けましたか?】

私は医療系ソフトウェアの研究開発を行う会社に勤務しています。

昨年の年末ごろのことですが、仕事の納期が迫って残業が続いた時期がありました。二、三ヶ月ほど職場と自宅を往復するだけの生活を続けることになりましたが、連日の無理がたたったのか、あるときから一日中つきまとう首、肩、腰の痛み・疲労感に悩まされるようになりました。

はじめ私はそういう痛みの原因は体を支える筋力が弱いためだと考えました。そして軽いトレーニングやストレッチを生活に取り入れるようにしてみました。ですが芳しい結果は得られず、相変わらず体の痛みをやり過ごしながら仕事をする日々が続きました。

また、蓄積した疲労を取る目的で、マッサージを受けに行ったり長く時間取ってストレッチ運動したりなどの活動を取り入れてみましたが……一時的な効果は感じられるものの、数日経つとすぐに元の疲れた状態に戻ってしまいました。

そのように色々と失敗を重ねるうち、いつしか私はこの疲労の原因には自分の筋力や体力以前に、日常生活の色々な場面でいつの間にか余計に疲れるような姿勢(肉体的にも、精神的にも)を取る癖がついていて、自分でそれに気づくことができていない状況があるのではないか?という印象を持つようになりました。これがアレクサンダーテクニークとの接点になりました。

書籍やインターネットで調べているうちにアレクサンダーテクニークのことを知り、レッスンを受けたいと思うようになりました。

 

【レッスンを受けてみて、どのような変化を体験しましたか?】

レッスンを通してとても多くの変化を体験しましたが、その中で一番大きな変化だと感じられたのは、自分の体が出している小さなシグナル(疲れ、強張り、痛み)に気付いてあげられるようになったことです。

例えば職場でパソコンの前で作業をしている時など、これまでの生活では長時間の作業の中でいつの間にか肩や腰が痛みだして、そうなって初めて自分が体の一部に負担の集中する姿勢を取っていたのに気づくような状況でした。問題は、痛みを感じるまで体の状態に気づけていないところです。仮にもっと早く自分の中の無理に気付けていれば、痛みという形でそれが表に出る前に何らかの対応ができていたかもしれません。

レッスンを通して学んだのは、この「もっと早く」自分の中の小さな変化に気づける感性です。いち早く自分の体の小さな負担に気づくようになり、日常生活の中で効果的に休息を取ることができるようになりました。

このような「自分の中の小さな変化を受け取って、自発的に軌道修正できる」ようになると、色々なところが少しずつ改善されていきます。一つ一つは小さなものですが、その小さな改善をすべて合わせると驚くほど生活に変化が起きました。

 

【レッスンを受ける前と後では、自分の生活、人生がどのように変わったかを教えて下さい】

全体としてまとめると、自分の人生と今までよりも主体的に関わることができるようになり、またそれを楽しめるようになったのではないかと思います。

具体的な内容を箇条書きすると以下のような変化がありました。

○仕事がうまく進められるようになりました。あまり疲れを感じることなく、以前と同じかそれ以上の分量の作業をこなせるようになりました。

○前と比べると明らかに姿勢が良くなり、また無理を感じることなく長時間続けられるようになりました。

○余暇を思い切り楽しむことができるようになりました。ある程度年をとって以降、遊びに行くときなどに次の日に疲れを残さないように自分をセーブしながら楽しむ習慣がついていましたが、レッスンを通して体の休め方がわかるようになってからは「ここまで体をリセットできる」という感覚がついたため、いつでも気兼ねせず楽しめるようになりました。

○性格的に周囲の人に過剰に気を使い過ぎるところがありましたが、力を抜いて周囲の人と付き合えるようになり、以前と比べ人間関係がリラックスした雰囲気になった気がします。

○体力的にも精神的にも余裕が生まれ、新しい趣味や人間関係に積極的に関わっていくようになりました。

 

【講師の教え方、レッスンの内容などで印象に残っている点があれば教えて下さい】

初回の体験レッスンを受けたあと、二度目のレッスンの時だったと思います。

レッスンでは最初の10分間程度を使って、生徒が前回のレッスンと今回のレッスンの間に日常生活の中で自分の体について気づいたこと、気になった点などを話す時間があるのですが、私はそこで「体験レッスンを受けて首周りの強張りが目に見えて楽になった。でも肩こりが依然気になる」というような内容の話をしました。それに応えて先生がコメントをされたことが印象に残っています。

「肩や腰といった局部の痛みというのは必ずしも原因がその部位だけにあるわけではなくて、手足のような遠いところの過剰な力の使い方が積み重なって最終的に出てきていることが多いのです。レッスンを続けて体の使い方が変わっていくうちに結果的に解消することはあるかもしれませんが、現段階で体の特定の部位についてどうした方がいいというようなことは言いません。」細かい言い回しは違うかもしれませんが以上のような内容でした。

私はこのコメントを聞いて、その時点ではまだよく知らなかったアレクサンダーテクニークのこと(と伊達アキ先生のこと)を本当に信頼できると感じ安心したのを覚えています。

このような場面でクライアントに「こうすれば良くなります、治ります」と言ってしまうのは簡単でしょう。しかし「レッスン」という言葉からも分かる通り、アレクサンダーテクニークは「治療・施術」ではなくクライアントが何かを学ぶためのテクニックだという立場をとっており、先ほど挙げたようなちょっとした会話のやり取りでさえもそれが意識されていることがわかりました。

このような中立な立場はレッスン全体を通して一貫していて、レッスン中に「これが正しいやり方だからこの通りにしなさい」とか「ここは本来こうあるべき」といった、原理原則を生徒に強要するような教え方、物の言い方をされることは一度もなかったと記憶しています。どんなときでも個々の生徒に合わせて中立な立場から助言するというのは、理想的な指導の方法だと思いますが、実践するのはとても難しく、また忍耐を必要とする作業だと思います。

 

【レッスンを受けようか迷っている方へのアドバイスがあれば、お願いします】

アレクサンダーテクニークについて良いと思う所は、それが一時しのぎの施術でなく、レッスンの後も一生を通して身につく技術だという点です。一時的な治療だとどうしても後々その問題が再発するのではないかという不安が残ってしまいますが、アレクサンダーテクニークを学ぶと問題が再発しそうな事態に自分で気づいて避けることができるという自信がつきますので、精神的に大きな違いが出てくると思います。

アレクサンダーテクニークで学べるのは「何かをしないための方法」という一見簡単そうに見える技術ですが、実際に独力で習得しようとするのは非常に難しい技術だと思います。というのも、人間というのは生来勤勉な生き物ですので、日々の暮らしの中でどんどん新しいことを学んで複雑になっていきますので、いつの間にか自分自身どこが出発点だったかを忘れてしまうからです。

 

アレクサンダーテクニークで得られる一番大事なことは、そうやって複雑化した自分自身を解きほぐして、自分が立ちかえるべき新しい基本姿勢を心身共に見つけだせるようになることなのだと思います。日々新たな自分が見つかってとても楽しいレッスンですので、どのような方にでもお薦めできると思います。

 

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