次男が赤ちゃんの頃、よくおんぶをしました。まだ長男も2歳だったので、長男をベビーカーに乗せ、次男をおんぶしてお出かけ。家事の間も泣いたらおんぶ。おんぶのまま寝ちゃっていても、次に起きるまでおんぶ・・・。
そんな中、時々子供達を預けてアレクサンダー・テクニークの学校に行くと、よくトレイニーの仲間に、「アキさん、まだ赤ちゃん背中に背負ってるね・・・。」と言われました。
「え?まだ背負ってる?せっかく赤ちゃん置いて自由な身で来たのに?」
そうなんですね。毎日同じ姿勢を取っていると、その姿勢に自分を形作ってしまっていることがよくあります。
まだ自力でお座りもできないくらい小さな赤ちゃんを育てているお母さん達にレッスンをすると、赤ちゃんを抱っこしていない時でも、腕の緊張はなかなか抜けません。私も初めての子の時は、「赤ちゃんを落としてはいけない。」と常に全身を緊張させていたような記憶があります。
でも、もし赤ちゃんを抱っこしていない時は腕を「お休みモード」にして、休ませてあげることができたら・・・。次にまた赤ちゃんを抱く時に、「必要なだけの力」を使って抱くことができたら・・・。お母さんの日々たまりゆく疲れもすこ~しはましになるかもしれません。
でも、要らない力ってなんなのか、自分が力を入れていることに気付くことさえ、実際にはむつかしかったりするのです。
レッスンでは、そういうところを見て行きます。赤ちゃん連れで参加するのですから、レッスンも赤ちゃんのペースに合わせて。「あ、おっぱいかな?」そしたら、実際におっぱいをあげてみる。おっぱいを飲ませている時、赤ちゃんを覗くような姿勢になりますが、その時、「首はどこから曲げたら楽かな?」とちょっと考えてみる。「そっか。関節はここにあるから、ここから下を向けばいいのか。」そうすると大分違います。呼吸も少し楽になります。
お腹が満たされた赤ちゃんは、やっと寝てくれました。そ~っと床に下ろします。さあ、もう赤ちゃんは抱いていないけれど、自分の腕はどうだろう?どこまで「お休みモード」にできるだろう?「な~んにもしない腕にできるかな?もっと楽にできるかな?あれ、まだかたまってるね。もっと楽、もっと楽にできるかな?そうそう。それで何もしない手ですよ。」それを身体で体感すると、家でも少しできるようになります。「再現」する必要はないのです。少なくとも、「何にもしていないと思っていた状態でも、緊張があった=もっと楽になれる」ということを「知る」だけでも自分に与える影響はちがってくるでしょう。
大変な毎日だからこそ、自分のケアもしてあげて、少しでも楽に赤ちゃんとの時間を過ごせるといいですね。
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